脇汗(腋窩多汗症)とは?

日常生活に支障をきたすほど脇の下に過剰な発汗がある場合は、多汗症(腋窩多汗症)が疑われます。体温調節に必要な量を超えて汗が分泌されるので、社会生活に影響することがあります。
多汗症とまではいかなくても、脇汗による汗じみや臭いにより、精神的なストレスを抱える方が多くいらっしゃいます。適切な治療により症状をコントロールできますので、お一人で悩まずにご相談ください。
こんなお悩みありませんか?
- 汗じみが気になって好きな服が着られない
- 制汗剤を使っても効果が不十分
- 握手や満員電車が苦手
- 汗が気になって仕事や勉強に集中できない
- 季節に関係なく脇汗が多い
- 緊張すると特に汗が増える
- 臭いも気になって人と接するのが不安 など
多汗症の原因とメカニズム
感神経の過剰な働き
汗腺を支配する交感神経が過敏に反応することで、必要以上の発汗が起こります。緊張やストレスで症状が悪化することが特徴です。
ホルモンバランスの影響
思春期、更年期、妊娠中など、ホルモンバランスが変化する時期に症状が現れやすくなります。
環境要因
高温多湿な環境、精神的ストレス、過度なカフェイン摂取なども発汗を促進する要因となります。
遺伝的要因
多汗症には体質的な要因が大きく、家族に多汗症の方がいる場合、発症リスクが高くなります。
脇汗が及ぼす影響
脇汗の問題は、単なる身体的な不快感だけではありません。衣服の汗じみを気にして好きな服が着られない、人と接近することに抵抗を感じる、仕事や勉強に集中できないなど、生活の質を大きく低下させます。
また、常に汗を気にすることで緊張が高まり、さらに発汗が増えるという悪循環に陥りがちです。中には対人関係や社会生活に支障をきたし、うつ状態になる方もいらっしゃいますので、単なる汗だと軽視しないようにしましょう。
当院の脇汗治療
薬物療法(外用薬)
塩化アルミニウム液などの制汗剤を処方します。汗腺に作用して発汗を抑制する効果があり、軽度から中等度の多汗症に効果的です。保険適用の外用薬もあり、手軽に始められる治療法です。
ボトックス注射
ボツリヌス菌由来の薬剤を脇の下に注射し、汗腺への神経伝達を遮断します。効果は4~6か月程度持続し、重度の多汗症にも高い効果があります。脇の多汗症治療に対しては保険適用となります。
手術
交感神経を遮断する手術や、汗腺を除去する手術があります。永続的な効果が期待できますが、代償性発汗(※)などの副作用もあるため、慎重な適応の判断が必要です。
(※)脇の発汗を抑制した代わりに、脇周辺や背中、胸など他の部位の発汗が増加する現象
治療法の選択について
脇汗治療は、症状の程度や患者様のライフスタイルに応じて選択します。まずは外用薬から開始し、効果が不十分な場合はボトックス注射を検討するのが一般的です。
ボトックス注射は即効性があり、高い効果が期待できますが、定期的な施術が必要です。一方、手術は永続的な効果が期待できますが、他の部位の発汗が増える代償性発汗のリスクがあります。大阪市旭区・守口市のよこいクリニックでは、それぞれのメリット・デメリットを丁寧に説明し、患者様に適した治療法をご提案します。
日常生活での対策
- 通気性の良い衣服(綿素材など)を着用する
- こまめに汗を拭き取り、清潔を保つ
- 制汗剤を適切に使用する(朝の清潔な肌に塗布)
- ストレス管理(リラックス法の実践)
- 規則正しい生活習慣を心がける
- カフェインや香辛料など発汗を促す食品を控える
- 適度な水分補給を行う など